若かれし頃、1人で2ヶ月間、タイ王国を旅してきたことがある。
初めて降り立ったバンコクのドンムアン国際空港。
１年中常夏とは聞いていたが想像以上の暑さだった。
人々の熱気やホコリ、バイクや車の音を肌で感じたことを今でも忘れない。
その中でも一際目に止まったのが、甲高いエンジン音を響かせながら走る、どこか愛らしい車体のトゥクトゥクだった。
＂軽快な排気音＂が名前の由来とされている。
乗車中は他の車の排気ガスを浴びるし、雨が降ればびしょ濡れになる。
なにせ常夏の国だから気にならないのだ。
冷房完備の車と違い信号待ちでは汗が噴き出る。
中には乱暴な運転のドライバーもいるし、ぼったくられたことも少なからずある。
それでも生暖かい風を切って疾走する爽快感は格別だった。
照りつける日差し、ホコリっぽい匂い、遮るもののない騒音。
日本では五感を解放してみようとなかなか思わない。
トヨタ、ニッサン、ホンダ、ダイハツ、日本では当たり前の乗り物だからだ。
決して乗り心地は良くないが後部座席に座り桜井市の息づかいを全身で感じ取ってみてはどうだろうか。
単なる移動とは違う、なんとも贅沢な時間を味わえるはずだ。
<料金>
- お1人様でご乗車の場合 3.000円
- お2人様でご乗車の場合 1人2.500円
- お3人様でご乗車の場合 1人2.000円
